圧縮発火器

  
 

対象等

高校生

目的

 空気を急激に圧縮することによって、空気の温度が上昇し、紙が自然発火することを確かめる

準備

圧縮発火器、ティッシュペーパー

実験場所

水平なしっかりした机があればどこでも

方法

 この実験は実験器具が市販されていますので、それを使います。

 ガラスの管の中に、小さくちぎった5mm四方のティッシュを1枚入れます。なかなか奥に入らない場合は、付属の針金で押し込みます。

 このガラス管に上からピストンを5cmほど差し込みます。さらに全体を金属の筒に入れ、のぞき窓からテッィシュが見える位置に固定します。

 ピストンの取っ手を片手ではなく両手で持ち、全体が机に対して垂直になっていることを確かめた上で、一気に押し下げます。

 押し下げるのは力づくではなく、速さだと言うこと生徒には強調しています。また押し下げる生徒はのぞき窓を観察することが出来ませんので、交替でやるよう指示しています。

 男子の場合はすぐ出来ますが、女子の場合はやはり点火しにくいようです。

 うまくいかなかった場合は、いったんピストンを取り出し、付属のプラスチック棒で内部の空気を入れ換え、再挑戦します。

 生徒はたくさん燃やしたがって、ティッシュを多く詰め込んでしまいがちですが、多ければ多いほどうまくいかない上に、中で紙が丸まって取れなくなってしまうことがあります。

 火はほんの一瞬点火するだけです。ティッシュなので、灰もほとんど残りません。

注意点

 ・ ともかく押し下げる速さです。集中力がものをいいます

 ・ 取っ手をつかむ場所を考慮しておかないと指を挟む場合があります

 ・ 最初にピストンを入れる深さは5cmぐらいにしないと、軸がぐらぐらします

 ・ ピストンをまっすぐ入れて垂直に押し込まないと、ガラス管の入口が破損します

結果

説明文の通りです。実験そのものはうまくいけば一瞬で終わりますが、何もないところで火が出るのは、最初はびっくりします

考察応用等

 ・ ティッシュの発火点はどのくらい

 ・ 圧縮比はどのくらい

 ・ 上記の圧縮比では、温度がどのくらい上がるか

備考

やるコツさえつかめば、女子でも簡単にできます

教員が始動することは、発火器が机に対して垂直になっているかどうかの確認

押し下げる速度はなるべく早く、というのがいいです

最初に入れるティッシュは少ない方が発火率が高いです

失敗して、発火器のそこに焦げたティッシュがこびりついてしまうと、次の発火がうまくいきません 

うまくいくとあっという間に終わる実験なので、授業時間が余る可能性大です



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