手製のバネで
フックの法則を確かめる

  

対象等

小学生から高校生まで
目的
 決められた長さの針金でいろいろな直径のバネを作り、おもりを吊し、その伸びを確かめる
準備
 針金、針金を巻くもの(電池やシャープペンシル等)、ガスバーナー、マッチ(チャッカマン)、水槽、水、ラジオペンチ、スタンド、1m定規または巻き尺、おもり多数(釣り具のおもりでも可)
実験場所
バーナーを使うので化学実験室
方法  
 1.5〜2mぐらいの針金を生徒に渡し、手近にある器具(乾電池やボールペン)に巻き付け、手製のバネを作らせます。

 このバネ全体をラジオペンチで持ち、バーナーで全体を温めた後、一気に水槽に入れた水の中に入れます。

 (焼き入れと言います。刀作りの原理ですね。これで針金内の金属結合がより強固になります)

 このバネの一端をスタンドに固定し、もう一端にフックを作り、ここにおもりを順にひっかけ伸びを記録させます。

 伸びの測定はスタンドで固定した点を基準にしても良いし、フックの部分を基準にしても良いと思います。

 順にバネを吊していくと、やがて一気にバネが伸びます。(弾性限界と言い、これ以上はバネの機能が無くなります)その様子を観察させた上で、もう少しおもりを吊して伸ばします。

 伸びとおもりの個数や重さの関係をグラフにして、バネの性質を確かめさせ、フックの法則を検証します。
 
注意点
 ・ 針金がよれていると美しいバネが出来ないため、グラフがきれいに出ません

 ・ 加熱後にすぐにバネに触る生徒がいます。やけど注意です

 ・ おもりが重くなると、フックの部分が曲がって、一辺におもりが落ちてしまうことがあります

 ・ グラフの縦軸、横軸のメモリは、生徒だけでは設定できないことが多いようです

 ・ グラフに線を引くとき、、点を結んでしまいジグザグのグラフを書く生徒がいます
結果  
 手製のバネでも驚くほどきれいに比例の関係になります
考察
応用等

 ・ バネの直径とバネの強さの関係

 ・ 焼き入れをすると、なぜバネが強くなるのか

 ・ バネ定数の意味
 
備考
 径の小さいバネの方が強いよ、と最初に言うと、ボールペンの芯でバネを作る生徒がいます。ひじょうに強いバネが出来ますが、普通のおもりでは伸びなくなってしまいます。
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