対象等
中学、高校
目的
顕微鏡の各部の名称を知り、その取り扱い方を習得する
準備
顕微鏡、スライドガラス
実験場所
生物実験室
方法
1 顕微鏡の準備
@ 顕微鏡を持ち運ぶときは、一方の手で鏡身を持ち、他方で鏡台を支える。
A 顕微鏡を机上に置き、蛍光灯を点灯する。箱は足下に置く。
B 低倍率の接眼レンズ(数字が小さい)を入れ、低倍率の対物レンズを選ぶ。
C 接眼レンズからのぞき、反射鏡を動かして視野を明るくする。
(反射鏡に直射日光を入れないこと)
D 標本(スライドガラス)をステージに置いてクリップでとめる。
E 横から見ながら、調節ネジを回して、標本を対物レンズの近くまで上げる。
(標本が対物レンズの真下にくるように調節する)
F 接眼レンズを横から見ながら調節ネジを回して、ステージをゆっくり下げていき、ピントを合わせる。
G 視野が明るすぎて見にくい場合は絞りを調節して、視野の明るさを加減する。透明な物体の時は絞り込むと見やすくなる。
H スケッチは、両目を使い、輪郭は線で、濃淡は点で表す。
2 今回観察するもの(今回はカバーガラスは使用しない)
毛髪、花びら、花粉、コルク等
@ 教卓上の花の花びらを1枚切り取り、スライドガラスの上に乗せ顕微鏡で観察、スケッチする。
A 自分の毛髪を切り取り、これをスライドガラスに載せ、先端を観察、スケッチする。
B 教卓上の花のおしべ部分を軽くスライドガラスにぶつけ、花粉を観察、スケッチする。
C 教卓上のコルクをカッターで斜めに薄く切り、最も薄くなっている部分を顕微鏡で観察、スケッチする。
実験場の注意点
・ 顕微鏡を運搬するとき、蓋をきちんと閉めずに移動し、本体を床に落とす生徒がいます。
・ 対象物と対物レンズを接近させすぎ、接触させ、対物レンズを汚す場合があります
・ 生徒は対象物をレンズの中央にきちんと置くことがなかなか出来ません(適当な場所に置けば見えると思っているようです)
・ 対物レンズがきちんと接眼レンズと一直線にならず、レボルバーが中途半端な位置で止まった状態で観察する生徒がいます(視野が暗くなっています)
・ 絞りは開いておかないと、暗い視野のままで観察を続けます
・ 反射鏡を使って光を取り込むのに苦労する生徒がいます
・ コルクをカッターで薄く切るのは、最近の生徒には難しいようです、斜めに切って、薄く透けてみる部分を観察するよう指導しています
結果
・ 上記の観察物は、対象が目で確認できるぐらい大きいので、ほとんど失敗はありません。困難校の場合は、最初は無理に点でスケッチをするようには勧めていません
考察、応用
@ 毛髪の色と染色した場合の荒れを指摘しています
A コルクの細胞組織を発見したフックの話しをします
生徒さんへ
・ 顕微鏡は高価な精密機械です。取り扱いには十分注意をしましょう
・ 接眼レンズを覗いたとき、視野が明るくなるように調節してから、対象物が中央に来るように調整しましょう
・ 接眼レンズを対処物の近くまで下げて、なんかぼやけたものが見えたら、そこから少しずつレンズを上にあげていきピントを合わせます
・ 目的のものが見えたら、視野に移っているものが小さくても、それをなるべく大きくスケッチします。最初は誰でもうまく書けません
・ スケッチ等のレポートが課された場合は、スケッチをきちんと書いて、見た時に感じたことを素直に感想として書きましょう
・ 色や形の面白さ、顕微鏡の操作で戸惑ったことなどについて書くとよいと思います