葉緑体の抽出と光合成

対象等

中学、高校

目的

・ 緑色野菜の葉から葉緑体を抽出し、光合成の原理を調べる

準備

試薬びん入り消毒用エタノール 10(ml)、スポイト、ろ紙、試験管 1本、試験管立て、ロート、 乳鉢、乳棒、光源(懐中電灯、ブラックライト等)、A4上質紙1枚台

使用材料

緑色野菜(お茶の葉)

実験場所

生物実験室

方法

@ 配布されたお茶の葉を乳鉢に入れ、これを乳棒で丁寧にすりつぶす。

A スポイトで試薬びんからエタノールを10(ml)程とり、すりつぶした葉に加え、さらにすりつぶす。

B ロートとろ紙をセットして、すりつぶした溶液を流し込み、ろ液を試験管に集める。

C ろ液が落ちなくなったら、集めたろ液の色を観察し、結果に記入する。

D この試験管を窓際に持っていき、太陽光にあてて、中の溶液の色を観察し結果に記入する。

E さらに室内の暗い場所で、上質紙の上に試験管を於いた状態で懐中電灯の光をあて、溶液の色と溶液の影の色を観察する。

F Eと同様の実験をブラックライトをあてて行う。

実験場の注意点

・ 上に書いたように、晴れた日にやったほうが良いと思います

・ 携帯用のブラックライトだとはっきり色の変化が出ません

・ 緑色野菜の選定には注意が必要です。一般的にお茶はうまくいくようですが、スーパー等のホーレンソーでは、みかけは色が濃くても葉緑素がうまく抽出できない物があります

・ 手早くやるとあっと言う間に終わる実験なので、化学分野になりますが、エタノールの性質として手の甲に1滴落として、揮発性を確かめさせました

・ さらに蒸発皿に0.5〜1mlほど入れ、室内を暗くしてこれに点火すると、炎の色がよく見えます

結果

・ 簡単な実験ですが、結果は良く出ます

・ 光合成が行われると溶液は赤っぽくなりますが、ブラックライトだと赤茶色(血液の色)のように見えます。

考察、応用

・ なぜ光をあてると透過光が緑色になるのか。虹の七色から葉緑体が吸収する光の色を考えさせます

・ なぜブラックライトで赤紫色になるのか(ブラックライトとは何なのかを説明しておく必要があります)

生徒さんへ

・ 葉緑体が何色の光を使って光合成を行っているのかを、実験結果から考察すると良いレポートが書けると思います



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