対象等
高校
目的
・ ブロッコリーの細胞からDNAを抽出し取り出す
準備
台所用中性洗剤、2(mol/l)塩化ナトリウム水溶液、 エタノール(95%以上)、氷、乳鉢×2、乳棒、布×4、大型試験管、ロート、薬サジ、ろ紙、500(ml)ビーカー(湯煎用)、200(ml)ビーカー、100(ml)ビーカー(NaCl水溶液用)、ガスバーナー、スポイト、ガラス棒、金網、三脚、チャッカマン、軍手、割り箸、はさみ
使用材料
ブロッコリーの芽 3房
実験場所
生物実験室
方法
@ 予め、ブロッコリーの房の部分だけを切り取って冷凍しておく。(実習助手さんにお願いする必要があります)
A 500(ml)ビーカーに400(ml)ほど水を入れ、バーナーでお湯を沸かす。
B ブロッコリーの房の花芽の部分を、はさみで床屋さんがやるように切り取り二つの乳鉢に等分に入れる。(4人の班員で二人のペアを作り、暇な生徒がいないようにします)
C 乳鉢内のブロッコリーを乳棒を使って充分にすりつぶす。(この間無駄話をしない。つばが入ると実験がうまくいかないと伝えています)
D 台所用中性洗剤をひと押し加え、さらに100(ml)ビーカーに入った塩化ナトリウム水溶液20(ml)を二つのの乳鉢にすべて加え、さらに細かくすりつぶす。
E 二つの乳鉢の内容物をロートを使って大型試験管に入れ、これを500(ml)ビーカーの沸騰したお湯の中に5分程度入れて湯煎をする。(これによってDNAが抽出されます)
注:バーナーの火力が強すぎると、沸騰したお湯がふきこぼれることがあるので、火力を調節してください。
F 湯煎後、試験管を軍手で取り出し、空の200(ml)ビーカーに入れ、5分ほど熱を冷ます。5分たったら、試験管全体に軽く水をかける。
G 200(ml)ビーカーに2枚重ねの布をかぶせ、中央を凹ませ、ここに試験管の内容物を入れる。
H この布を袋状にして、割り箸等を使って、ねじるようによく絞りろ過する。
I ビーカーに入ったろ液を、教卓上に置いてある氷水で5分ほど冷やした後、各自の机に持ち帰る。
J 冷凍庫に入れておいた冷エタノールを、スポイトを使って、ガラス棒を伝わせるように静かに加える。(加える量はろ液の約2倍)加えたときの溶液の変化の様子を観察する。
K エタノールの下層に沈殿物が見えたら、割り箸を使って沈殿物(DNA)を丁寧に巻き取ってみる。
L 巻き取ったDNAの色や様子を観察し、結果に記入する。
実験場の注意点
・ バーナーの扱い方を事前に教えておく必要があります
・ 乳鉢から大型試験管に内容物を入れるとき、ロートが詰まってしまうことがあります。細いガラス棒を用意しておくと良いと思います
・ 試験管内容物を割りばしで搾り取るのは図で示さないと分からないと思います
結果
・ 湯煎をしていると試験管の内容物が2層に分かれます
・ エタノールを加えてしばらくすると、白いヒモのようなものが見えてきます。これがDNAのかたまりです
・ 白いDNAを割り箸で巻き取るのですが、かなり難しいです
考察、応用
・ この白いヒモのような物が本当にDNAなのか、顕微鏡で見てみてもいいかもしれません(単に糸みたいなものが見えるだけらしいです)
生徒さんへ
・ たくさんの器具を使うので、その名称と使い方を覚えてください
・ バーナーの扱いは細心の注意が必要です。基本は先にマッチやチャッカマンの火をつけてから、バーナーのねじを回してガスを出すという事です。これを逆にすると、爆発的に火が広がることがあります
・ たまにバーナー内に空気が入っていて、マッチ等の火が消えてしまう事があります。慌てずに、すぐにバーナーのねじをしめてガスを止めてください。
・ ブロッコリーはなるべく丁寧にすりつぶしてください
・ 手順を誤らなければ成功率の高い実験です
・ 観察できる白いひものようなものはDNAの塊です