教員の持ち時間


教員の持ち時間

 担任の先生方の会議は「学年会議」がほぼ毎週あります。これ以外に、それぞれが所属する部の会議があります。これが最低限の会議です。これらは授業の空き時間に行われるので、各先生方の時間割を調整して、その時間だけ全員が揃うようにします。

 これ以外に学校によっては特別な委員会を授業時間中に入れたり、科目ごとの教科会を入れたりします。従って授業以外に、会議でつぶれる時間が2〜4時間ぐらいあります。

 その結果、授業を16時間持っている担任は、特別活動等に2時間、会議が最低2時間プラスされ、週30コマの内、20コマが拘束された時間となります。残り10コマが5日間に別れるので、平均して1日2コマ分、自分の時間がとれます。

 中学校では、さらに授業の持ち時間数が増えるので、実際には1日1.5コマ分空きがあるかないかではないでしょうか。小学校の場合はもっと大変で、ほぼ1日生徒と一緒にいなくてはなりません。

 そんなに忙しいのなら、会議は放課後に持ってくればと思うのですが、中学や高校の場合、放課後は部活動が行われ、顧問として指導することが多くなり、合わせて週1回職員会議があり、さらに各会議の前に各係で打ち合わせ、みたいなことが必要な場合もあり、放課後の会議は難しいのが実情です。


教員の多忙さと生徒とのコミュニケーション

 教員の多忙の実態を書き続けていますが、私はここで多忙であることだけを取り上げようと思ってはいません。民間の企業の中には、それこそ寝る間も惜しんで頑張っておられる方が多数いることも知っています。(私の父親がそうでした。結局50代前半で心臓発作を起こして他界しています)

 では何が言いたいのかというと、教員が忙しくなればなるほど、気持ちが生徒から離れ、生徒と交流する時間がどんどん削られ、教育という仕事から離れていく、という実態を知ってもらいたいなと思っているからです。

 多忙な教員間が休み時間にすれ違うとき、その一瞬に交わされる言葉に、「忙しそうだね。」「いやあ、仕事の合間に授業をやっているよ」という会話が交わされます。不謹慎だ、と怒られそうですが、そのような現実がある、ということです。

 高校教員は1日に2時間程度授業の空き時間が確保出来ると書きました。昔はこの時間は教材研究と生徒の情報交換、教育談義に費やされていました。私も一人の生徒の指導法を巡って、同僚と熱く議論したことを覚えています。

 しかしいつの間にか、空き時間はコンピューターによる教材研究と、各種の報告書、会議への議題の原案作り、資料作りの時間となり、職員室や準備室から会話が消えつつあるのが現状です。

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