酸素の製法と性質

対象等

中学、高校

目的

・ 酸素を作り出し、どのような性質を持つのか調べる

準備

300(ml)三角フラスコ、ガラス管付きゴム栓、集気瓶 大小各1個、ガラス板、チャッカマン、水槽、100(ml)メスシリンダー、蒸留水、5(ml)スポイト、二酸化マンガン3(g)、5%過酸化水素5(ml)、石灰水10(ml)、線香、5(cm)のマグネシウムリボン、るつぼばさみ、スチールウール、極細の針金、必要に応じて保護眼鏡 

実験場所

化学実験室

方法

* この実験は危険が伴うので、全員同時進行で行うので説明をよく聞くこと

1) 水槽に3分の2ほど水を入れる。小さい方の集気瓶に水を満たし、水槽内で逆さまにする。

2) メスシリンダーで蒸留水5(ml)を計り取り、三角フラスコに入れる。さらにこの中に二酸化マンガン3(g)を加える。

3) スポイトで過酸化水素5(ml)を計り取り、三角フラスコに入れ、すぐにガラス管付きゴム栓を付け、発生する酸素を集気瓶内に半分ほど集める。

4) 酸素が半分まで集まらなかった場合は、スポイトでさらに過酸化水素を5(ml)加える。

5) 酸素が集まったら、水中でガラス板でふたをして、静かに取り出す。

6) 集気瓶のフタを少しずらし、隙間から石灰水を10(ml)加える。

7) 線香に火をつけ、ガラス板の隙間から集気瓶内に静かに入れ、火が燃え上がることを確認する。燃え上がったらすぐに取り出し、火が消えて煙だけになったら再び中に入れる。これを燃え上がらなくなるまで続ける。

8) 集気瓶全体をフタをしたまま持ち上げ、全体を軽く揺すり、石灰水と内部の気体を混ぜ合わせ、溶液の色の変化を確認する。

9) 2本目の大きい集気瓶を水中にセットし、最初と同様に酸素を半分程度集め、フタをして机上に置く。

10) るつぼばさみにマグネシウムリボンをはさみ、火をつけ、これを集気瓶内にフタの隙間からすばやく入れ、変化を観察する。
注:激しく燃焼するので、必要以上にふたを開けないこと。また炎を長時間直接見つめないこと)
 
11)さらに1本目の集気瓶の石灰水を流しに捨て、これに再び半分程度酸素を集める。
  
12) 細い針金の先端にスチールウールを少量巻き付けこれにチャッカマンで点火すると同時に、集気瓶内にフタの隙間からすばやく入れ、変化を観察する。

実験場の注意点

・ 古い過酸化水素を使うと酸素の発生が弱いです

・ 集気びん内には必ず水を残しておく必要があります

・ マグネシウムリボンやスチールウールの実験は手早く行い、すぐに蓋をしないと、火の粉が飛び散る恐れがります(保護メガネや軍手の使用を推奨します)

・ マグネシウムリボンは、発火後すぐに目をそらさないと、しばらく視力が回復しません

・ スチールウールの燃えかすが集気瓶内部にくっつき、ガラスが急激な温度上昇により割れることがあります


結果

・ 石灰水は白濁します

・ 線香、マグネシウムリボン、スチールウールすべてが、ともかく激しく燃焼します

考察、応用

・ 過酸化水素の化学反応式

・ 二酸化マンガンの役割

生徒さんへ

・ 反応が激しい実験なので、方法をよく理解してから行ってください

・ 線香の燃焼が一番穏やかです

・ マグネシウムリボンの燃焼は見つめ続けていはいけません



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