水素の発生とその性質

対象等

中学、高校

目的

・  水素を発生させ、その性質を調べる

準備

ガス・バーナー、チャッカマン、金網、三脚、二股試験管、試験管 3〜4本、L字型ガラス管、試験管ばさみ、試験管立て、スポイト、亜鉛 7粒、希塩酸(HCl)5(ml)

実験場所

化学実験室

方法

@ 二股試験管のくびれのある方に、教卓上の亜鉛を7粒ぐらい入れる。続いて、くびれの無い方に教卓上の希塩酸5(ml)をスポイトで入れる。
   
注:希塩酸は強い酸です。皮膚や衣服に付けないように 

A L字型ガラス管のゴム栓を二股試験管に差し込むと共に、水槽に半分ほど水を入れる。準備が出来たら、二股試験管を静かに傾け、塩酸を亜鉛側に入れる。その状態で二股試験管を試験管立てに立て、約1分ほど待つ。

B 待っている間に、水を半分ほど入れた試験管を、水槽内ですばやく逆さまにして、これに発生した気体を集める。

C 試験管内が気体で満たされたら、逆さまのまま親指でふたをして取り出すと共に、2本目の試験管をセットする。 

D 取り出した試験管をふたをしたまま上向きに持ち替え、チャッカマンの火を管口に近付けてから指を離す。

E 気体が反応するときの音と色を詳細に観察し、結果をプリントに記入する。

実験場の注意点

・ 水素は簡単に爆発しますので注意が必要です。過去の化学実験の事故の大半は水素の実験で起きています

・ 試験管にひび割れ等がないことを事前に確認します

・ 過去にメスシリンダーでやったことがありますが、200mlのメスシリンダーでもかなり大きな爆発が起きます(危険です)

・ 以前、ガラス管の先端を石けん液につけて、水素のシャボン玉を作ったことがあります。これは面白いです。ガラス管から離れた瞬間天井に向かって飛翔します。途中でうまくチャッカマンの火を近づけると空気中で燃えます

 ただしチャッカマンの火を直接L字管の口に近づけるのは厳禁です

結果

・ 試験管にあらかじめ水を半分ほど入れておくのは、水素と酸素の混合比を2:1に近づけるためで、このぐらいが一番よい音がします

考察、応用

@ 3のAで、何故すぐに気体を集めないで1分ほど待つ必要があるのか。
最初は二股試験管内の空気が出てくるからです

A 3の(1)−Bで、何故空気中で逆さまにして集めないのですか。
空気中では水素がどのくらい集まったか分かりません

B 3の(1)−Eの観察結果をなるべく詳しく書きなさい。
爆発が起きる瞬間目をつぶるのが人間の習性なので、炎の色を確認することはなかなか難しいです。青白い炎とオレンジ色の炎が見えるときが多いと思います

生徒さんへ

・ 塩酸の扱いに注意してください

・ 音にびっくりして試験管を落とさないようにしてください

・ 色を観察するのは結構大変です



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