酸化還元

対象等

高校

目的

・ 粉末の酸化銅に炭素を混ぜて加熱することにより、銅が還元されることを確かめる

準備

酸化銅 CuO 1.3(g) 2つ、炭素粉末 0.1(g)、せんべい0.25(g)、石灰水入り試験管、試験管 2本、試験管ばさみ、試験管立て、L字管付きゴム栓、精密はかり、乳鉢、乳棒、ガスバーナー、ガラス棒、チャッカマン、薬包紙 4枚、紙ヤスリ、乾電池、豆電球、雑巾

実験場所

化学実験室

方法

実験1 炭素粉末による還元

@ 配布された酸化銅 1.3(g)と炭素粉末 0.1(g)を乳鉢に入れ、乳棒でよく混合した後、試験管口に薬包紙でロートを作り試験管に入れる。

A 試験管を試験管ばさみではさみ、L字管付きゴム栓を付け、先端を試験管立てに立てた石灰水の中に入れる。

B 酸化銅入りの試験管を水平より若干下向きに傾け、中の粉末を少し平らに広げてから、これを数分加熱する。

C 加熱は気体の発生が止まるか、混合物がすべて赤銅色になるまでおだやかに続ける。反応が終わったら、ガラス管を石灰水から取り出し火を止める。

D 試験管を静かに雑巾の上に水平の状態より若干下向きの状態で置き、冷えるのを待つと共に、石灰水の変化を観察する。

E 試験管が冷えたら内容物を、ガラス棒を使ってもう1枚の薬包紙上に取り出し、表面を軽く紙ヤスリで磨き、金属光沢を確認すると共に、乾電池と豆電球を使って電流が流れることを確認する。

F その後この内容物の重さを精密はかりで測定する。

実験2

@ 乳鉢と乳棒についた汚れをティッシュペーパーで取り去った後、これに渡されたせんべいを入れ、乳棒で細かく砕く。これを薬包紙に移し、精密はかりで0.25(g)計りとる。
 
A この0.25(g)のせんべいの粉末と酸化銅の粉末を再度乳鉢に入れ、乳棒でよく混合し、薬包紙を使って試験管に入れる。

B この試験管を試験管ばさみではさみ、実験1の要領で数分加熱する。ただしL字管付きガラス管や石灰水は使用しない。

C 加熱後は実験1と同様に雑巾の上に置き、冷えるのを待ってから内容物を取り出し、銅が出来ていることを確認する。

D 実験終了後、石灰水は水に流し、乳鉢、乳棒等は水洗いする。試験管は軽く水洗いし、汚れが残ったままで教卓上に戻す。

実験場の注意点

・ 試験管内に水分があると、加熱後に割れてしまいます。雑巾に置くときは慎重に

結果

・ 石灰水は発生する二酸化炭素で白濁します

・ きれいな銅色の金属が少しだけ観察できます

考察、応用

@ 実験1の反応を表す、化学反応式を書きなさい。

A 実験1のBで、なぜ試験管を若干下向きにするのか説明しなさい。

B 実験1のFの重さを書き、初めの酸化銅の重さと比較し何がわかったかをまとめな  さい。

C 実験2でなぜせんべいで銅が取り出せるのか推測しなさい。

D 青銅器の発見の歴史等を実験後に説明しています

生徒さんへ

・ 最初に酸化銅の色をよく見ておいてください

・ 石灰水は白濁しますが、気体の発生が続くと、再び透明に戻ることがあります

・ 試験管内に水蒸気が発生した時は、ひじょうに割れやすい状態になっています

・ 管内の水分が発生個所から移動しないように試験管を動かしてください

・ せんべいの主成分を考えてください



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