イオン化傾向

対象等

高校

目的

・ 様々な水溶液に金属を入れ、反応の様子を観察するとともに、イオン化傾向を判定する

準備

試験管 10本、試験管立て、300(ml)ビーカー、蒸留水、アルミ箔 5枚、亜鉛 約15粒、鉄釘 4本、スズ粒 10数粒、銅線 7本、マグネシウムリボン 1本、硫酸亜鉛水溶液、硫酸鉄水溶液、酢酸鉛水溶液、硫酸銅水溶液、硝酸銀水溶液、希塩酸、希硝酸、濃硝酸

実験場所

化学実験室

方法

1) 実験1

@ 以下の表を見て、反応が起きるかどうかを予測し、起きるものには○、起きないものには×をつける

金属水溶液 Al Zn Fe Sn Cu
硫酸亜鉛
硫酸鉄
酢酸鉛
硫酸銅
硝酸銀

A 10本の試験管に上記の水溶液から2種類を選び、約5(ml)ずつ5本の試験管に入れる。

B これらの水溶液にそれぞれ表に従って金属を入れ、注意深く変化を観察する。

C 観察が終わったら、金属が流れ出ないように注意して水溶液を流しに捨て、中の金属はすべてビーカー内に入れる。(ビーカー内で金属が反応するようなら、水道水を半分程度入れ薄める)その後試験管を水洗いし、再度上記の水溶液から2種類を選び、10本の試験管に入れる。

D 再び指定された金属を入れ、変化を観察する。観察後は上記の手順で溶液、金属を捨て、最後に残った溶液を5本の試験管に入れる。後は同じ手順で観察する。

E 以上が終了したら、試験管を水洗いし金属を捨てる。その後試験管を教卓上に戻し、用意された実験2の水溶液入り試験管を受け取る。

2) 実験2

@ 配布された水溶液A〜Dに、それぞれ指定された金属を入れ変化を観察する。

A 蒸留水を手元に置き、Eの試験管に金属を加え変化を観察する。Eは激しく反応するので、試験管口から色の付いた気体があふれ出すころ、蒸留水を加え濃度を薄める。(気体は毒性があるので、吸わないように注意する)

A B C D E
Mg 亜鉛 銅線 銅線 銅線
希塩酸 希塩酸 希塩酸 希硝酸 濃硝酸
5ml 5ml 5ml 5ml 2ml


B 観察が終わったら、流しの水を多めに流しながら、金属が出ないように溶液を捨てる。残った金属は再びビーカーに入れる。

実験場の注意点

・ 最初に好きな溶液を選ばせるのは、全クラス同じ溶液を指定すると、同じ場所に生徒が固まるので、分散させる意図があります

・ 溶液が多種類あるので、置き場所を分散して工夫しています

・ 金属は基本的に手でつまんで入れています

・ 銅線と濃硝酸の実験だけは、細心の注意が必要です(教員の演示実験でもよいかもしれません) 

結果

・ イオン化傾向を確認する実験ですが、必ずしも理論通りにはならない場合もあります

・ イオン化傾向が近いと反応が見えにくいです

・ 小さな気泡が見えることがありますが、反応したと判断するかどうか微妙なところです

考察、応用

・ 実験から得られたデータで、イオン化列を作り、教科書のイオン化列と比較します

生徒さんへ

・ 激しい反応と穏やかな反応があります。

・ 気泡が出る反応では、気泡が見えにくいことがあります

・ 濃硝酸と銅線の反応は、事前にやり方を良く読んでから行ってください



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