化学反応の量的関係

対象等

高校

目的

・ マグネシウムと塩酸を反応させ、計算で求めた体積の水素が発生することを確認する

準備

マグネシウムリボン,6.0(mol/L) 塩酸HCl,メチルオレンジ、20 mL メスシリンダー,ゴム栓,水槽,ピペット、木綿糸,洗びん、チャッカマン

実験場所

化学実験室

方法

(1)マグネシウムMgと塩酸HClが反応して,塩化マグネシウムMgCl2と水素H2ができる化学反応式を書いてください。

(2)捕集する水素の体積を13〜18mLの範囲で、班で決めてください。

(3)自分達で決めた体積の水素を集めるのに必要なMgの量を計算します。水素1mol は0℃,1atmなら22.4L ですが,温度によって膨張しますので、その分も計算に含めます。

(4)(1)の反応式の係数から,Mgが1molあるとき発生する水素は(    )mL発生することが分かりますので、(2)で決めた体積を発生させるために必要なMgの物質量(mol数)を求めます。

(5)次に,このMg(原子量 Mg=24.3)の質量が何gに相当するか。有効数字3桁で求めます。

(6)マグネシウムリボン10(cm)の質量は(   )gです。(5)で求めた質量が何(cm)になるか計算します。

(7)(6)で求めた質量のマグネシウムリボンを正確に切り取り,長さ15 cmくらいの木綿糸の一端にしばりつけます。

(8)水槽にほぼ一杯まで水を入れます。

(9) 20 (mL) メスシリンダーに6.0 (mol/L)の 塩酸を5(mL)入れ,メチルオレンジを2〜3滴加えて振り混ぜます。メチルオレンジは酸性で赤くなります。

(10)次に塩酸の上に洗びんを使って静かに水を注ぎ,メスシリンダーを満たします。このときできるだけ塩酸と水が混ざらないように注意します。(メスシリンダーの水溶液の上の部分が無色〜薄い赤色ならよい。)

(11)メスシリンダー内に(7)のマグネシウムを入れ,ゴム栓(大)を軽くして(このとき水があふれてよい),すばやく水槽の水の中にメスシリンダーを倒立させます。

(12)しだいに塩酸(赤色の部分)が下がってきて、マグネシウムと反応を始めます。マグネシウムがなくなり,気体の発生が終わったら,内外の水面を一致させてから気体の体積を正確に記録します。自分たちが決めた体積の値と一致すれば成功です。

(13)逆さまの状態のメスシリンダーをそのまま空気中に取り出し、ゴム栓をして机の上に立てます。チャッカマンに火をつけメスシリンダーの管口に近づけてから、ゴム栓をはずします

実験場の注意点

・ 進学校で行った実験です。化学反応式が書けない、モルの計算ができない場合は、実施は難しいです

・ 塩酸に水を加えるときは、出来るだけ静かに

・ Mgを入れてから水槽に立てるまでは出来る限り素早く

結果

・ ±0.5mLぐらいの誤差になります

考察、応用

・ 誤差の原因で一番大きいものを考えさせます。(Mgリボンの切り方が一番影響が大きいと思います)

生徒さんへ

・ モルの計算方法を把握してください

・ この実験の誤差はかなり少ないです。マグネシウムリボンを切る長さが大きな誤差の原因です



化学実験の表紙に戻る


物理屋の教育あれこれに戻る