対象等
高校
目的
・ ダニエル電池を自分で作ってみる
・ 素焼き板の必要性を考える
準備
銅板、亜鉛板、硫酸亜鉛水溶液、硫酸銅水溶液、ガーゼ、ろ紙、セロハン、200(ml)ビーカー 2個、ソーラーモーター、電子オールゴール、テスター、接続コード、トレー、スポイト
実験場所
化学実験室、ちょっと見にくいですが教室で演示も可能
方法
実験1
@ 二つのビーカーに硫酸亜鉛、硫酸銅をそれぞれ入れます。
A 接続コードと亜鉛板を接続し、一端はテスターのマイナス端子へ。もう1本の接続コードを銅板に接続し、もう一端はテスターの+端子へ。
B テスターは最少電圧(出来れば5V以下を使います)にしておいて、亜鉛板、銅板を溶液に入れず、空気中で分離した状態で電圧を測定します。
C 亜鉛板銅板の間に硫酸亜鉛を少量垂らし、電圧が発生することを確かめます。
D 亜鉛板を硫酸亜鉛、銅板を硫酸銅に入れて、溶液は分離した状態で電圧を測定します。
E 二つのビーカーを近づけて、両者の間にガーゼを渡し、それぞれの溶液がガーゼ中を登っていくのを観察させます
F 電解液が接触した時点で電圧が上がり初めます。
G 電圧を測定してから、ソーラーモーターや電子オルゴールに接続します
実験2
@ トレーの中にビニールを敷きます
A その上にペーパータオルをのせ、さらに銅板をのせます。
B 銅板の上にろ紙をのせ、スポイトで硫酸銅をふりかけ湿らせます。
C その上にセロハンをのせ、再びろ紙をのせ、硫酸亜鉛をふりかけます。
D この上に亜鉛板をのせ、ペーパータオルをのせ、亜鉛板、銅板に接続コードをつなぎ、ソーラーモーターにつなげます。
実験場の注意点
・ 特にありませんが、実験@は、ペーパータオルの切れ端やティッシュペーパーでも出来ました。ただガーゼの方が電圧は上がりました。ティッシュ0.8V、ガーゼ1.0Vでした
結果
方法のB:0ボルトです
方法のC:私が行ったときは、0.2Vぐらいの電圧でした
方法のD:0ボルトでした
方法のF:起電力は約1.0ボルトでしたが、太陽電池モーターは回転しませんでした。電子オルゴールがなんとか聞こえました。
考察、応用
・ 電池には電解液が必要だと言うことが分かります。
・ 電解液があっても分離した状態では電池にならないことを理解させます
・ ガーゼが素焼き板の代わりになったことを説明します
・ ガーゼの色の変化ですが、硫酸銅の青は徐々に押し戻されるように見えます。イオンの動きの違いが確認できます
・ ダニエル電池はセロハンの筒で行う学校が多いと思いますが、ビーカーを別にすることによって、教科書の図との対応が分かりやすくなると思います。
生徒さんへ
・ ガーゼ中を溶液が移動していく様子が面白いと思います
・ 溶液が接触した時点の電圧の変化を確認してください
・ ボルタの電池に比べると多少能率が良い電池だという事が分かると良いと思います